結論から言うと、「無添加」と表示しても亜硝酸根(NO₂⁻)を完全にゼロにすることは実際にはほぼ不可能です。理由を整理しますね。
1. 「無添加」とは何を指すのか
食品表示でいう「無添加」は、
- 製造過程で特定の添加物(保存料・着色料・発色剤など)を“意図的に加えていない”
ことを意味します。
つまり「無添加=その物質がゼロ」という保証ではありません。
2. 亜硝酸根の自然由来の存在
亜硝酸塩や硝酸塩は、自然界に広く存在しています。
- **野菜(ほうれん草、レタス、ビーツなど)**に大量に含まれる
- 土壌や地下水に普通に含まれる
- 動物の体内でも代謝の一部として発生
つまり、原料肉そのものにも、痕跡レベルの硝酸・亜硝酸は必ず含まれてしまいます。
3. 実際の「無添加ハム・ベーコン」の亜硝酸塩
「亜硝酸塩不使用」や「無添加」と表示した製品でも、実際に検査をすると
- 野菜粉末(セロリパウダーなど)を使えば、そこに含まれる硝酸塩から亜硝酸塩が生成される
- 完全にゼロにはならず、数ppm程度の残留は検出される場合がある
そのため、行政も「検出ゼロ」を義務づけているわけではなく、「添加物として亜硝酸塩を加えていない」=無添加表示が可能というルールになっています。
4. まとめ
実務的には、亜硝酸塩を“使わない”ことはできても、“存在ゼロ”を保証することはできない
「無添加=ゼロ」ではなく、「無添加=加えていない」
原料や自然由来で入ってしまう分までゼロにはできない