私とワイン、そして生産者との出逢い

私は数年前まで、ワインが美味しい飲み物であると感じたことはありませんでした。
どうも20数年前に飲んだ北海道産ワインをはじめ、国産ワインが余りにも不味かったことが原因。
以来、固定概念で、ワインはさほど美味しくないとなってしまっていたのです。

約5年くらい前のこと、私が社長に就任することを決めたのち、美味しい食べモノづくりを将来にわたり行っていくと決めた以上、お酒と食べ物のマリアージュということを、改めて、学ぶ必要性があると感じました。

そこから、意識して、札幌をはじめ、東京、香港など、舌の肥えている友人たちや知人たちと飲食を共にするように心掛け、様々な有名店、高級店、バルやバーなどで必然的に、ワインを本格的に飲むようになると、段々とその美味しさ、世界観、作り手の哲学を含め、魅了されていくことになるのです。

— もっと早くに極上美味なワインと出会っていたら、人生がおおきく変わってしまったのかもしれないなぁ。もっとも、僕が20代の頃は気軽にワインを楽しめるような時代では無かったけど。

そんなこんなで、ワインの美味しさをはじめ、食文化そのものに魅了され始めたものの先にも申し上げた通り、国産ワインでとんでもない目にあってから、固定概念で国産=不味いというイメージがすっかり身についてしまっておりました。
しかし、その概念をおおきく揺らぐような出逢いが3年前に起きたのです。

2008年春のことです。
北海道経済産業局主催のある北海道産食品の推進を行うべく、札幌の有名ホテルで開催されたパーティで、様々な食事が並ぶビュッフェ形式の会場の周りに、道内の有望企業が商品を陳列、試飲や試食を行い自らの商品を紹介されておりました。

ワインも二社ほど、ブースを持って試飲を行っていたのですが、さほど期待しないで、新興のワイナリーのヴィンテージワインのケルナーを試飲。口に含んだ直後、予想以上に美味しくて、思わず、「これヨーロッパのどこのワイン?」って、聞いてしまうほどでした。

連れ添った友人と北海道産ワインでこんなに美味しいものは初めてと驚いていたところ、ワインをふるまっていた方が北海道はワインが面白くなる。特に白ワインはこれからとお話されていたのです。以来、毎年、国産ワイン、特に北海道産ワインを有名レストランなどで楽しんだ後、自らも購入して楽しむようになりました。

そんな私が今年、ついにヴィンヤードまで足を運んでしまったのです。

つづく