ナチュールハムとは
自然の力と職人の知恵が生み出す、安心で豊かな味わい

正しい情報を伝えたいという思い

私たちは、「無添加だから良い」「添加物があるから悪い」といった単純な二元論ではなく、食の本質を正しく伝えることを大切にしています。
ハムづくりには、長い歴史の中で培われた“理由”があります。ここでは、誤解されがちな4つのポイントをお伝えします。


1. 亜硝酸塩は「発色剤」ではなく、安全とフレーバーのために使われてきた

亜硝酸塩は、ハムやベーコンの安全性と香りを守るために使われてきた伝統的な成分です。
古くから、肉の腐敗やボツリヌス菌による食中毒を防ぐために、硝石(しょうせき=硝酸塩)を含む岩塩が用いられてきました。これは人工的な添加ではなく、自然界の知恵の継承ともいえるものです。

さらに亜硝酸塩は、燻煙との反応によってハム特有の香りや旨味を生み出す重要な役割も果たしています。いわゆる“発色剤”という名称はその一面に過ぎず、安全性と美味しさの両立こそが本来の目的です。

また、亜硝酸は野菜や生肉、地下水など自然に存在するため、完全にゼロにすることはできません。大切なのは「使わないこと」ではなく、安全な範囲で正しく使うことです。
だからこそ、専門家である「職人たち」が大事に育てられてきたのです。


2. 無添加ハムは新しい価値観として生まれた

「無添加ハム」は、ここ数十年で広まった新しい製法のカテゴリーです。
添加物を使わず、健康志向を重視という想いから生まれました。

一方で、ヨーロッパの伝統的なハムづくりでは、何世紀にもわたって硝石(自然由来の亜硝酸塩)が使われ、長期熟成と安全性、美味しさを支える知恵として受け継がれてきました。

つまり「無添加ハム」も「ナチュールハム」も、どちらが正しいということではありません。
それぞれが大切にしている価値観があり、消費者や職人が信念を持って選ぶものです。
私たちは、その選択の幅が広がることこそが、豊かな食文化の証だと考えています。


3. 無添加だから安全とは限らない

ただし、「無添加=安全」「添加物入り=危険」というイメージは、必ずしも正しくありません。
ハムやソーセージは、生肉を長期間保存する食品であり、微生物の繁殖を防ぐための技術と衛生管理が欠かせません。

無添加製法では、添加物に頼らない分、より厳密な管理が求められます。
一方で、亜硝酸塩のような成分を正しく理解し、安全な範囲で使うことも、長い歴史の中で培われた知恵のひとつです。

つまり、安全性を決めるのは「使う・使わない」ではなく、
“どう使うか”と“誰がつくるか”
それを支えるのは、職人の知識・技術・誠実さなのです。


4. ナチュールハムが目指すもの

ナチュールハムとは、
昔ながらのハムづくりを、現代の衛生基準と職人技で進化させたものです。

肉と塩と香辛料と時間が旨味を引き出し、
必要最小限の亜硝酸塩を用いながら、
自然の熟成と、自然の恵みによる燻しの中で、じっくりと旨味を育てていく。

その味わいと香りは、無添加製法よりも格段に深く、豊かです。
実際に、世界で最も厳しい官能評価とされる国際味覚審査(International Taste Institute)において、三つ星を受賞しています。
これは、安全性と美味しさの両立が、国際的にも高く評価されている証です。

ナチュールハムの製法は、先人たちの知恵と経験の積み重ねによって培われてきたものです。
自然の力に寄り添い、時間とともに熟成させるこの技法は、単なる製造工程ではなく、文化として継承すべき食の遺産だと私たちは考えています。

それは、自然と科学、伝統と現代技術の調和によって生まれる味わい。
ヨーロッパではこの“ナチュラル・クラフト”の考え方が高く評価され、
美味しさ・安全性・文化性を兼ね備えた製法として多くの職人が受け継いでいます。

私たちが守りたいのは、「無添加」と「ナチュール」という二者択一ではなく、
“正しく理解し、誠実に選ぶ文化”です。

それこそが、エーデルワイスファームが掲げる
「ナチュールハムの本質」です。


まとめ

“無添加”も“ナチュール”も、どちらも食への真剣な姿勢の表れです。
大切なのは、それぞれの背景を理解し、自分にとって信頼できる味を選ぶこと

エーデルワイスファームのナチュールハムは、
自然の力と時間、そして職人の技が織りなす、
「正統派の安心」と「自然な美味しさ」を追求しています。