REAL BACON

「美味しいベーコンが食べたい」なら、見るべきは3つだけ

「美味しいベーコンが食べたい」と思ったら、確認すべきは「熟成期間」「燻製の熱源」「添加物の設計」の3つです。この3点がわかれば、パッケージの印象に頼らずに選べます。

同じ「ベーコン」でも、中身は同じではありません

同じ「ベーコン」という名前でも、中身は同じではありません。
例えば、数時間で仕上げる製品があります。
一方で、1ヶ月かけて熟成させる製品もあります。
また、電気で煙だけを付ける製品もあります。
反対に、薪と炭の直火で焼き上げる製品もあります。

このように、違いは味付けの巧拙ではありません。
むしろ、作り方の設計思想そのものが異なります。

したがって、パッケージの「こだわり」という言葉では品質を判断できません。

そこで、この記事では品質を左右する3つの基準を、図でやさしく整理します。
さらに、エーデルワイスファームがマイナス2℃で約4週間かける理由も解説します。
読み終えるころには、「美味しいベーコンが食べたい」という気持ちを、具体的な選び方に変えられるはずです。

本当に美味しいベーコンを見分ける3つの基準 1 熟成期間 何度で、何日 かけたのか 数時間 ⇔ 数週間 2 燻製の熱源 何を燃やして 火を入れたのか 電気・ガス ⇔ 薪と炭 3 添加物の設計 何のために 何を使うのか 増量目的 ⇔ 安全目的
ベーコンの品質は、この3点を確認すれば判断できます。

この記事の要点

SUMMARY 読む前に、これだけ
1 美味しさを決めるのは①熟成期間 ②燻製の熱源 ③添加物の設計の3点
2 当ファームはマイナス2℃で約4週間の氷温熟成。注入もタンブリングもしない
3 燻製は2年乾燥させたオーク材の薪と炭による直火温燻
4 亜硝酸塩は必要最小限のみ。保存料・着色料・リン酸塩は不使用
5 「無添加=美味しい・安全」ではない。EUも禁止ではなく上限管理
6 保存料不使用のため冷蔵は短め。未開封冷凍で約2ヶ月
7 ベーコン節®は常温180日。2026年10月に新ラインナップ予定

美味しいベーコンが食べたい人のための、3つの判断基準

ベーコンの品質は、商品名や見た目では分かりません。そのため、製造工程の具体的な条件で判断する必要があります。

← 表は横にスクロールできます →

判断基準 一般的な量産品 職人仕込みのベーコン
熟成期間数時間〜数日数週間(当ファームは約4週間)
燻製の熱源ガス・電気・スモークチップ等自然乾燥させた薪と炭の直火
添加物の設計保水剤・保存料などを併用する場合がある安全に必要な最小限のみ
重量の変化加水により増える場合がある乾燥と熟成により減る

※表は一般的な傾向です。原料、塩分、温度、期間、加熱、燻煙により仕上がりは変わります。

特に見落とされやすいのが、最後の「重量の変化」です。
時間をかけて熟成し、燻製したベーコンは水分が抜けます。
そのため、原料の豚肉より必ず軽くなります。

なお、塩せき(=肉を塩漬けにする工程)の仕方にも、複数の方式があります。
詳しくは、こちらで比較しています。

ベーコンの製法を比較|注入式・乾塩式・湿塩式の違い

基準①:旨味を凝縮させる「マイナス2℃・約4週間の氷温熟成」

美味しさの土台をつくるのは、熟成にかけた温度と時間です。エーデルワイスファームでは、マイナス2℃の氷温帯で約4週間じっくり漬け込みます。

「氷温帯」はどこにあるのか 0℃を下回っても、食品はすぐには凍りません 凍 結 域 肉の水分が凍る (冷凍庫 約-18℃) 氷 温 域 0℃以下だが、まだ凍らない 繊維を壊さず熟成が進む ▼ 当ファームはここ 冷 蔵 域 通常の冷蔵庫 (約 0〜10℃) 凍結点 食品ごとに異なる 0℃ -2℃ で 約4週間
※位置関係をわかりやすくした模式図です。実際の温度幅とは一致しません。

🔍 ひとことで言うと

食品は0℃になった瞬間に凍るわけではありません。糖や塩が溶けているぶん、凍り始める温度(凍結点)は0℃より低くなります。この「0℃以下だけど、まだ凍っていない」わずかな温度の幅が氷温帯です。

OUR METHOD

量を増やすのではなく、
時間をかけて旨味を引き出す。

-2

氷温帯での漬け込み

約4週間

長期氷温熟成

10kg→6kg

原料肉から完成まで

注入なし

タンブリングも不使用

調味液を注入せず、肉を動かして液を抱かせるタンブリングも行いません。氷温帯で約4週間、ゆっくりと味を浸透させます。その結果、原料肉10kgから完成するのは約6kgです。

完成までの流れ

水分が抜けるから、軽くなる 原料肉 10kg 豚バラ肉 塩 せ き 塩漬液に浸す 注入はしない 氷温熟成 -2℃ 約4週間 薪炭温燻 オーク材の直火 職人が火力調整 完成 約6kg ▼ 約4割減 加水して増量する製法とは、そもそも向きが逆になります。
熟成と燻製で水分が抜けるため、完成品は原料肉より軽くなります。

熟成期間は長ければ長いほど良いのか

しかし、期間の長さだけでは品質を判断できません。
なぜなら、適切な温度管理があって初めて成立するからです。
また、肉の厚さによって浸透速度も変わります。
さらに、製品に合う期間の設定も欠かせません。

したがって、「長期熟成」という表示だけでは不十分です。
むしろ、温度と期間の両方が示されているかを見てください。
なお、熟成による変化は製品ごとに異なります。
そのため、成分量は分析なしに断定できません。

基準②:香りと食感を決める「オーク材の薪炭直火温燻」

熟成の次は燻製です。エーデルワイスファームでは、2年間自然乾燥させたオーク材の薪と炭を使い、職人が火力を調整しながら温燻します。

冷燻・温燻・熱燻の違い

燻製は「温度」で3種類に分かれる 0℃ 30℃ 80℃ 130℃ 冷燻 約15〜30℃/数日〜数週間 水分が大きく抜け、硬めの食感に 温燻 当ファーム 約30〜80℃/数時間 水分が半分ほど残り、 香りとジューシーさが両立 熱燻 約80〜140℃/10分〜1時間 ※温度帯・時間は一般的な目安です。資料により区分の境界には幅があります。
温燻は、香りとジューシーさのバランスを取りやすい温度帯です。

まず、当ファームの燻製は冷燻ではありません。
独自の改良を重ねた温燻を行います。
また、熱源には薪と炭を使用します。
そして、直火でじっくり仕上げます。

オーク材の薪と炭を使い直火で温燻するベーコンの製法
薪と炭を使い、肉の状態を見ながら温燻します。

スモークチップとは何が違うのか

まず、スモークチップは煙のみを発生させます。
一方、薪と炭は煙と同時に直火の熱を生みます。
つまり、燻煙と火入れが同時に進みます。

🔍 ひとことで言うと

スモークチップは「香りづけ」だけ。薪と炭は「香りづけ」と「焼き」を同時にやっている、という違いです。だから食感まで変わります。

なお、薪は2年間かけて自然乾燥させたオーク(楢)です。
また、直火は温度が一定になりません。
そのため、職人が肉の状態を見ながら火力を調整します。

したがって、強い煙だけを付ける方法ではありません。
むしろ、やわらかな薪の香りを層のように重ねます。

基準③:安全性と両立させる「添加物の設計」

3つめの基準は添加物です。エーデルワイスファームは亜硝酸塩を必要最小限だけ使用し、保存料・着色料・リン酸塩は使用していません。

まず、私たちは「完全無添加」と表現しません。
なぜなら、食肉製品の安全に関わる添加物があるからです。
また、それぞれの添加物は役割が異なります。
そのため、一括りに語ることはできません。

使うもの・使わないものの線引き

「使う理由」があるものだけを使う 使うもの(1つだけ) 亜硝酸塩(発色剤) ・ボツリヌス菌などによる  食中毒の発生を防ぐため ・豚肉特有の獣臭を抑えるため 科学的に必要な最小限の量のみ 使わないもの 保存料 日持ちを延ばす目的 着色料 見た目を良くする目的 リン酸塩などの保水剤 水を抱かせて増量する目的
同じ「添加物」でも、目的はまったく違います。

🔍 ひとことで言うと

「無添加=安全」ではありません。亜硝酸塩は、むしろ食中毒を防ぐために使われています。一方で、増量や見栄えのための添加物は、味にも品質にも必要ありません。私たちが分けているのは、この「目的」です。

つまり、「保存料不使用」と「無添加」は別の意味です。
したがって、表示は役割まで見て判断する必要があります。
なお、実際の配合は商品ごとの表示を優先してください。

【参考】食品添加物の安全基準について

食品添加物は、食品衛生法に基づき、食品安全委員会による安全性評価を受けたうえで、人の健康を損なうおそれのない場合に限り、成分規格や使用基準を定めて使用が認められています。なお、食品衛生基準行政は2024年(令和6年)4月1日に厚生労働省から消費者庁へ移管されました。

「無添加だから美味しい」わけではありません

亜硝酸塩は、味と香りそのものをつくる工程の一部です。そのため、使わなければ美味しくなる、という関係にはありません。

まず、豚肉に塩をして加熱しただけの料理があります。
一方、適切に塩せきして仕上げたベーコンがあります。
この2つは、香りがはっきりと異なります。

塩せき肉に生まれる独特の香りをキュアードフレーバーと呼びます。
亜硝酸塩は、この香りの形成に関わっています。
また、脂質の酸化を抑える働きにも関係します。

この点は、長期熟成する製品ほど重みを増します。
なぜなら、4週間の熟成と温燻という長い工程のあいだ、脂は酸化にさらされ続けるからです。
したがって、酸化を抑えることは、そのまま味を守ることにつながります。

🔍 ひとことで言うと

亜硝酸塩は「味をごまかすための添加物」ではありません。むしろベーコンをベーコンの味にしている工程そのものです。抜けば素材の味が立つ、という種類のものではないのです。

なお、当ファームも約40年にわたり、亜硝酸塩を使わない製法を試作してきました。
その経緯は、こちらで詳しくお伝えしています。

無添加ハムなら安全?亜硝酸塩の誤解とボツリヌス菌のリスクとは

「無添加だから安全」でもありません

食品の安全性は、ひとつの原材料の有無では決まりません。加熱、温度、塩分、水分活性、包装、衛生管理を重ねた設計の全体で決まります。

誤解のないようにお伝えします。
亜硝酸塩を使わない製品が危険、という意味ではありません。
製品の特性に合わせた管理によって、安全に作ることができます。

ただし、逆もまた成り立ちません。
つまり、「使っていないから安全」とも言えないのです。
したがって、次のどちらの決めつけも正確ではありません。

  • 亜硝酸塩を使っているから危険
  • 亜硝酸塩を使っていないから安全

また、「無塩せき」と「亜硝酸塩が存在しない」も同じではありません。
海外の Uncured 製品などでは、セロリパウダーなど硝酸塩を含む植物由来原料を使う方法があります。
この場合、精製した亜硝酸ナトリウムを直接加えていなくても、工程中に亜硝酸塩が生成されることがあります。

本場ドイツと欧州は、亜硝酸塩をどう扱っているのか

欧州は亜硝酸塩を排除していません。必要性を認めたうえで、使用量を安全な範囲へ精密に管理するという立場をとっています。

ドイツでは「亜硝酸塩入りの塩」が標準的に使われる

ドイツの食肉加工には、Nitritpökelsalz(亜硝酸塩添加食塩)という資材があります。
これは、食塩に亜硝酸ナトリウムを少量加えたものです。
ハムやソーセージの塩漬けに、広く使われています。

用いる理由は、色や風味だけではありません。
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)などの微生物の増殖を抑える働きを挙げています。
特に、酸素の少ない環境で仕上げる製品では、この働きが重要になります。

つまり、ソーセージ文化が根づいた国ほど、亜硝酸塩を排除していません。
むしろ、正しく管理して使う対象として扱っています。

ドイツでは、家庭の台所にも置かれている

Nitritpökelsalz は、業務用だけの資材ではありません。ドイツでは家庭用として、500gや1kgの袋がスーパーや通販で販売されています。

背景には、自家製のハムやソーセージを作る文化があります。
ベーコンや生ハム、サラミを家庭で仕込む人が、今もいます。
そのため、塩せき用の塩が日用品として棚に並んでいます。

順番は、おそらく逆ではありません。
つまり、商品が棚にあるから文化が生まれたのではありません。
作る人がいるから、その塩が商品として置かれているのです。
亜硝酸塩がドイツで身近なのは、規制がゆるいからではなく、肉を仕込む暮らしが続いているからだと考えられます。

🔍 ひとことで言うと

ドイツの人にとって亜硝酸塩は、「ハムを作るときに使う塩」です。原材料表示で見かける専門用語ではなく、作り方の一部として知られている——それが、本場との距離感の違いです。

なお、家庭用の袋にも注意書きが添えられています。
そのまま食べる塩ではないこと。
そして、分量とレシピを守ること。
身近であることと、扱いが雑でよいことは別だという考え方です。

日本の食肉文化は、まだ150年ほど

日本で肉食が公に解禁されたのは明治4年(1871年)です。つまり、食肉文化の歴史はまだ150年ほどしかありません。

675年、天武天皇が肉食を禁じる詔を出しました。
以後およそ1200年にわたり、日本では肉食が公に控えられます。
そして明治4年、政府が肉食を解禁しました。
翌明治5年(1872年)1月には、明治天皇が牛肉を口にしたと伝えられています。

ただし、まったく食べていなかったわけではありません。
猪や鹿は「薬食い」として食べられていました。
また、長崎など例外的な地域もありました。
それでも、日常の食卓に肉が並ぶ文化ではなかったのです。

食肉加工の歴史の「長さ」が違う ヨーロッパ 古くから、途切れずに続く食肉加工の文化 日本 肉食を公に控えた 約1200年 食肉文化 約150年 明治4年(1871年)肉食解禁 675年 肉食を禁じる詔 現在 日本初のハム・ベーコン製造は明治7年(1874年)、鎌倉から始まったとされます。 ※年代の幅は分かりやすさを優先した模式図です。実際の年数比とは一致しません。
日本のハム・ベーコンづくりは、まだ歴史の浅い分野です。

日本のハム・ベーコンづくりは明治から

日本でハムやベーコンが作られ始めたのも、明治に入ってからです。
明治7年(1874年)、鎌倉でイギリス人ウィリアム・カーティスがハムやベーコンの製造を始めたとされます。
つまり、日本のハム・ベーコンづくりも、まだ150年ほどの歴史しかありません。

🔍 ひとことで言うと

ヨーロッパでは、塩せきは「おばあちゃんが台所でやっていたこと」です。日本では、工場の中でだけ行われてきたことでした。だから同じ工程でも、言葉の馴染みがまったく違います。

ドイツで塩せき用の塩が家庭に並んでいるのは、需要があるからです。
つまり、商品が文化をつくったのではありません。
文化があったから、商品が生まれたと考えられます。

私たちが1920年代ドイツの考え方を大切にしているのも、同じ理由です。
歴史の浅い分野だからこそ、積み重ねのある場所から学ぶ。
そのうえで、日本の原料と気候に合わせて仕上げていく。
それが、エーデルワイスファームの立ち位置です。

EUは「ゼロ」ではなく「引き下げ」を選んだ

欧州連合は2023年、亜硝酸塩・硝酸塩の使用上限を見直しました。
規則(EU)2023/2108 として公布され、2025年10月9日から段階的に適用されています。
食肉製品に加えてよい量は、亜硝酸イオンとして製品1kgあたり80mgが上限です。

この改正の目的は、規則に明記されています。
すなわち、微生物学的な安全性を維持しながら、ニトロソアミンの生成を可能な限り低く抑えることです。
禁止でも、放置でもありません。

「ゼロが正解」ではない、という考え方 ゼロにする 別の手段で微生物を 管理する必要がある 香りと保存性の設計も 変える必要がある 必要最小限に管理 微生物学的な安全性を保ち 生成物は可能な限り抑える EU・ドイツの立場 ▲ 当ファームもここ 上限まで使う 法令の範囲内ではあるが 品質上の必要はない 私たちは選びません EUは2023年、上限を引き下げました(2025年10月9日から段階適用)。 禁止ではなく、必要な働きを保ったまま量を絞る、という判断です。
「使う/使わない」の二択ではなく、「どれだけ使うか」の問題として扱われています。

安全性を支える具体的な数値

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機関・地域 何を定めた数値か 上限
EU
規則2023/2108
食肉製品に加えてよい
亜硝酸イオンとして/2025年10月9日から段階適用
80mg
製品1kgあたり
日本
成分規格
食肉製品に残ってよい
亜硝酸根として
70mg
製品1kgあたり(=0.070g/kg)

※上の2つは、測っている対象が違います。EUは「加えてよい量」、日本は「製品に残ってよい量」です。加えた亜硝酸塩は製造工程で反応して減るため、数字の大小だけで規制の厳しさを比べることはできません。

※EUの改正では、表記の基準が「亜硝酸ナトリウム換算」から「亜硝酸イオン換算」へ変更されました。そのため、改正前の数値とも単純比較はできません。適用は2025年から2027年にかけて段階的に行われます。

mg/kg とは、どれくらいの量なのか

🔍 ひとことで言うと

mg/kgは「製品1kgあたり何ミリグラムか」という意味です。割合になおすと、次のようになります。

  • EUの上限 80mg/kg = 0.008%
  • 日本の上限 70mg/kg = 0.007%

つまり、ベーコン1kgに対して0.1g にも満たない量です。ごくわずかな量で働くからこそ、正確に量を管理する必要があります。

私たちも、この考え方に沿っています。
すなわち、必要な働きを保ちながら、量は必要最小限に抑えます。
そして、増量や見栄えのための添加物は使いません。

3つの基準を支える「効率を最優先にしない」設計思想

3つの基準に共通するのは、効率を最優先にしないという設計思想です。その源流は、1920年代のドイツにあります。

まず、ドイツは食肉製品の分類が細かく体系化された国です。
また、その中核に「ドイツ食品手引書」があります。
そのなかに、食肉および食肉製品に関する指針(Leitsätze)が定められています。

ただし、この指針は法律そのものではありません。
ドイツ食品手引書委員会は、指針を「法規ではなく、客観化された専門家の見解」と位置づけています。
つまり、法規を補完する役割を担う文書です。
なお、指針は現在も改訂の議論が続いています。

私たちは、この伝統的な思想を大切にしています。
そのため、塩漬けに必要な時間を省きません。
また、手作りの工程も省きません。

ただし、当時の製法を完全に再現したものではありません。
あくまで、思想と技術を受け継いでいます。

美味しさを保つ保存方法と食べ方

保存料を使用していないため、冷蔵での日持ちは比較的短めです。すぐに召し上がらない場合は、未開封のまま冷凍してください。

届いたら、どうする? 数日以内に食べる 冷 蔵 賞味期限内にお早めに 保存料不使用のため 日持ちは短めです すぐに食べない 冷 凍 未開封で 約2ヶ月 食べる前日に冷蔵庫へ移し ゆっくり自然解凍 開封したら お早めに 賞味期限にかかわらず 早めにお召し上がりください
※賞味期限は商品表示を優先してください。

解凍は冷蔵庫でゆっくりと

まず、前日に冷蔵庫へ移します。
そして、時間をかけて自然解凍します。

なぜなら、急激な解凍はドリップを招くからです。
ドリップとは、旨味成分を含む液体の流出を指します。
したがって、ゆっくり戻すほど風味と食感を保てます。

🔍 ひとことで言うと

電子レンジや常温で急いで解凍すると、肉から赤い水分(=ドリップ)が出ます。これは旨味そのものです。4週間かけて閉じ込めた旨味を、解凍の数十分で流してしまうのはもったいない、ということです。

切り方で変わる楽しみ方

  • スライス:フライパンで縁がカリッとするまで焼き、脂の甘みを楽しむ
  • ブロック:1cm以上の厚切りにして、肉の弾力をダイレクトに味わう

なお、水分量の違いは焼き上がりにも表れます。
実際の比較はこちらをご覧ください。

市販ベーコンとの焼き比べを見る

3つの基準の先へ|「ベーコン節®」という到達点

「ベーコン節®」は、豚もも肉を原料とする長期熟成製品です。ドライエイジング製法により、常温で180日間の流通・保存が可能です。

まず、豚もも肉を氷温熟成させます。
次に、燻製と乾燥を丁寧に繰り返します。
すると、水分活性が極限まで下がります。

🔍 ひとことで言うと

水分活性とは、食品の中の水のうち「菌が使える水」がどれだけあるかを示す値です。梅干しや干物が常温で日持ちするのと同じ理屈で、この値を下げれば保存料に頼らずに品質を保てます。かつお節が常温で置けるのも同じ原理です。

そのため、冷蔵設備がなくても保存できます。
保管は、直射日光を避けた冷暗所でお願いします。
また、常温流通が可能で持ち運びもしやすい製品です。
したがって、贈り物や手土産にも適しています。

COMING SOON

2026年10月、新ラインナップとして「細削り」「華削り」のリリースを予定しています。現在、さらなる美味しさの追求を続けています。

美味しいベーコンが食べたいときの、失敗しない選び方

ここまでの3つの基準を、買う前に確認できるチェックリストにまとめます。表示や商品ページで、次の5点を探してみてください。

買う前に、この5つを探してみてください 1 熟成の「温度」と「期間」が書かれているか 「長期熟成」だけでは不十分。数値が示されているかを見る 2 塩漬液の「注入」をしているか 注入の有無で、水分量と食感が変わる 3 燻製の「熱源」が書かれているか 薪・炭・チップ・液体スモークで、香りと食感が変わる 4 原材料表示に「保水剤」が入っていないか リン酸塩などの記載を確認。無添加かどうかより「何のために」を見る 5 保存方法と賞味期限が現実的か 保存料不使用なら、冷蔵の日持ちは短いのが自然
5つのうち3つ以上が明記されていれば、作り手が工程を公開している製品といえます。

目的別に選ぶなら

「美味しいベーコンが食べたい」といっても、場面はさまざまです。
そこで、目的別の目安も示します。

  • 朝食でカリッと焼きたい:スライス。脂の甘みが立ちます
  • 肉の弾力を味わいたい:ブロックを1cm以上の厚切りに
  • 贈り物にしたい:常温保存できるベーコン節®なら、届け先の冷蔵庫を気にせず渡せます
  • まとめて買って少しずつ食べたい:未開封のまま冷凍すれば約2ヶ月保てます

この記事に出てきた用語集

ベーコンの世界は専門用語が多い分野です。そこで、本記事に登場した言葉をまとめて整理します。

熟成と燻製に関する用語

塩せき(えんせき)

肉を塩漬けにする工程。塩を届ける方法だけでなく、温度と時間の管理までを含みます。「塩漬(えんせき)」とも書きます。

塩漬液(えんせきえき)

塩せきに使う液。ピックル液とも呼ばれ、一般に塩や砂糖を配合します。配合は製造者ごとに異なります。

氷温帯(ひょうおんたい)

0℃以下でありながら、食品がまだ凍っていない温度域。糖や塩が溶けているため、食品は0℃では凍りません。

凍結点(とうけつてん)

食品が凍り始める温度。水分量や塩・糖の濃度によって食品ごとに異なります。

温燻(おんくん)

約30〜80℃で数時間かけて燻す方法。水分が半分ほど残り、香りとジューシーさを両立しやすい温度帯です。

インジェクション(注入式)

多数の針で塩漬液を肉の内部へ直接注入する方法。短時間で均一に仕上がります。当ファームでは行いません。

タンブリング

肉を機械で回転させ、塩漬液を短時間で吸わせる工程。当ファームでは使用しません。

キュアードフレーバー

塩せきした肉に生まれる独特の香り。豚肉を塩して加熱しただけの香りとは異なり、ハムやベーコンらしさを形づくります。

添加物と保存に関する用語

発色剤(亜硝酸塩)

食中毒菌の増殖を防ぎ、獣臭を抑える目的で使われる食品添加物。色を保つ働きだけのものではありません。

保水剤(リン酸塩など)

肉に水を抱かせて歩留まりを上げる目的で使われる添加物。当ファームでは使用しません。

ドリップ

解凍時などに肉から出る液体。旨味成分を含むため、流出させないことが美味しさを保つ鍵になります。

水分活性(すいぶんかっせい)

食品中の水のうち、微生物が利用できる水の割合を示す指標。低いほど常温での品質保持がしやすくなります。

無塩せき(むえんせき)

発色剤(亜硝酸塩など)を添加せずに作られた食肉製品の表示。ただし「亜硝酸塩が存在しない」という意味ではなく、植物由来原料から工程中に生成される場合があります。

Nitritpökelsalz(ニトリットペーケルザルツ)

食塩に亜硝酸ナトリウムを少量加えたドイツの塩漬け用資材。ハムやソーセージの製造に広く使われています。

美味しいベーコンに関するよくある質問

ここでは、よくいただく疑問にお答えします。

美味しいベーコンが食べたいのですが、どう選べばいいですか?

3つの点を確認してください。
まず、熟成の温度と期間が具体的に書かれているか。
次に、燻製の熱源が何か。
そして、原材料に増量目的の保水剤が入っていないか。
この3点が明記されている製品は、作り手が工程を公開していると判断できます。

なぜ「完全無添加」ではないのですか?

食の安全性を優先しているためです。
ボツリヌス菌の増殖を防ぐ目的があります。
また、豚肉特有の獣臭を抑える目的もあります。
そこで、発色剤(亜硝酸塩)を必要最小限だけ使用します。
一方、保存料・着色料・リン酸塩は使用していません。

無添加のベーコンのほうが美味しいのですか?

そうとは限りません。
亜硝酸塩は、塩せき肉らしい香り(キュアードフレーバー)の形成に関わります。
また、脂質の酸化を抑える働きにも関係します。
そのため、使わないほど美味しくなる、という関係にはありません。
ただし、味の感じ方には個人差があります。

欧州では亜硝酸塩は禁止されていないのですか?

禁止されていません。
ドイツでは、亜硝酸塩を加えた食塩(Nitritpökelsalz)が広く使われています。
また、EUは2023年に使用上限を見直し、2025年10月9日から段階的に引き下げています。
その目的は、微生物学的な安全性を保ちながら、ニトロソアミンの生成を可能な限り抑えることです。
つまり、禁止ではなく量の管理という判断です。

冷凍庫でどのくらい保存できますか?

未開封のまま冷凍で約2ヶ月が目安です。
ただし、保存料不使用のため冷蔵では短めです。
また、開封後は賞味期限にかかわらず早めにお召し上がりください。

氷温熟成と普通の冷蔵熟成は何が違いますか?

氷温帯は0℃以下でありながら凍結しない温度域です。
そのため、繊維を壊さずに熟成を進められます。
当ファームでは、マイナス2℃で約4週間管理します。

スモークチップの燻製と薪・炭の燻製はどう違いますか?

スモークチップは煙のみを発生させます。
一方、薪と炭は煙と同時に直火の熱を生みます。
そのため、香りの重なり方と火入れに違いが出ます。

エーデルワイスファームはインジェクションを行いますか?

行いません。
また、タンブリングも使用しません。
肉を塩漬液へ浸し、マイナス2℃で約4週間熟成させます。

「ベーコン節®」は冷蔵保存が必要ですか?

必要ありません。
ドライエイジング製法で水分活性を抑えています。
そのため、冷暗所であれば常温で180日間保存できます。
ただし、開封後は冷蔵庫での保管をおすすめします。

まとめ|美味しいベーコンが食べたいなら、「時間」を見る

美味しいベーコンは、熟成期間、燻製の熱源、添加物の設計という3つの基準で見分けられます。しかし、商品名や見た目だけでは分かりません。

まず、何度で何日熟成したのか。
次に、何を燃やして火を入れたのか。
そして、何のために何を使っているのか。
そこに、作り手の考え方が現れます。

エーデルワイスファームは、マイナス2℃で約4週間待ちます。
なぜなら、時間を短縮しないからです。
その結果、薪のやわらかな香りが重なります。
また、肉の弾力も引き出されます。
さらに、脂身のまろやかな口どけも生まれます。

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商品名 特徴 保存方法の目安
薪・炭火仕上げベーコンマイナス2℃・約4週間の氷温熟成とオーク材の温燻。脂身の甘みと弾力が持ち味。冷蔵(未開封冷凍で約2ヶ月)
ベーコン節®豚もも肉をドライエイジング。旨味が凝縮された常温保存可能な逸品。冷暗所で常温180日

美味しいベーコンが食べたい。
その気持ちに応えるのは、宣伝文句ではなく工程です。
ぜひ、その違いを食卓でお確かめください。

記事で紹介した商品

ONLINE SHOP

約4週間という時間が、
肉の弾力と脂のまろやかさを育てます。

薪・炭火仕上げベーコンを公式ショップで見る

エーデルワイスファーム公式ショップ一覧はこちら

参考資料・出典

※本記事は2026年7月27日時点で確認できる公的資料に基づいています。賞味期限、保存方法、原材料、アレルゲンについては、各商品の表示をご確認ください。