朝食のテーブルに並ぶ一切れのハムやベーコン。その背景にある誠実な物語を、日本人の多くはまだ知りません。

欧州で数千年にわたり磨かれてきた「肉を芸術に変える知恵」。それは、単に「何も入れない」ことではなく、「安全のために必要なもの以外、余計なものは一切加えない」という、職人の誇り高い取捨選択の歴史でもあります。

目次(クリックで開きます)

1. ドイツの「肉の憲法」:最高級品質(Spitzenqualität)の厳しい基準

ドイツには「ドイツ食品手引書(Deutsches Lebensmittelbuch)」という、食品の品質を厳格に規定する指針があります。ここで定義される「最高級品質(Spitzenqualität)」とは、単なる添加物の有無ではなく、「肉本来の成分がいかに凝縮されているか」を問うものです。

最大の特徴は、「リン酸塩などの保水剤による加水増量を認めない」こと。安価な製品は水分で重量を増やしますが、ドイツの正統な製法では、熟成によって水分を飛ばし、純粋な筋肉タンパク質(BEFFE値)を極限まで高めます。

出典:ドイツ連邦食糧・農業省(肉および肉製品に関する指針)

2. なぜ「本物」にはリン酸塩が必要ないのか

多くの加工肉に使われる「リン酸塩」は、肉に水分を抱え込ませるための添加物です。しかし、伝統的な製法では、時間をかけた「熟成」がその役割を担います。エーデルワイスファームでは、安全のために必要な最小限の塩せき剤(亜硝酸塩など)を使用しつつも、リン酸塩や化学調味料には一切頼りません。

亜硝酸塩は、致命的な食中毒を引き起こすボツリヌス菌の増殖を抑えるために、ドイツの伝統製法でも必須とされてきました。私たちは「安全」と「美味しさ」の両立において、一切の妥協をしません。

出典:厚生労働省(食品添加物の役割と安全性の確保)

3. 日本の肉食文化100年。空白を埋めた「1920年代ドイツ製法」

日本の本格的な肉食文化はわずか150年足らず。欧州の数千年の経験に追いつくために、私たちが指針としたのは、ドイツ製法の黄金時代とされる1920年代の技術でした。機械化による大量生産が普及する前の、職人の感性と「手仕事」がすべてを支配していた時代です。

4. 50年前に見つけた真理。「4週間の長期氷温熟成」の魔法

伝統を継承するだけでなく、日本の環境に合わせて昇華させる。私たちは50年以上前、より深い旨味を求めて「長期氷温熟成」という独自製法を確立しました。0度以下の氷温域で4週間じっくりと肉を眠らせることで、タンパク質が分解され、旨味成分(アミノ酸)が爆発的に増加します。

「美味しいものを作りたい」という純粋な執念が、50年前にこの熟成の真理に辿り着かせました。

5. ナラ(オーク)の薪。ドイツのマイスターが選ぶ「最高級の香り」

ドイツでは、より高級で重厚な味わいを求める際にナラ(Eiche/オーク)の薪が選ばれます。ナラの煙は肉に深い琥珀色と力強い香りを纏わせ、天然の抗酸化作用で保存性を高めます。私たちは2年間自然乾燥させたナラの薪を使い、職人が24時間体制で炎を見守る「薪炭直火燻製」を貫いています。

職人が直火を管理している炎の様子
職人が直火を管理している炎の様子

6. 納得の理由。リン酸塩を使わないから「冷凍で2ヶ月」美味しい

エーデルワイスファームの製品は、お届け後に冷凍保存すれば約2ヶ月間、美味しさを保つことができます。これは、リン酸塩による「強制的な保水」を行っていないため、冷凍時に肉の細胞が破壊されにくいからです。

  • 加水された製品:冷凍で細胞が壊れやすく、解凍後にパサつく。
  • 弊社の製品:4週間の熟成で肉のタンパク質が緻密に結びついているため、解凍後も「作りたて」の瑞々しさが蘇ります。

出典:農林水産省(ハム類の日本農林規格)

7. よくある質問(FAQ)

Q. なぜ添加物を最小限に絞っているのですか?
A. 食中毒を防ぐための「安全(亜硝酸塩)」と、肉本来の旨味を邪魔しない「純粋さ」を両立させるためです。ドイツの伝統製法においても、これらは不可欠な要素として定義されています。
Q. 冷凍保存のあと、どうやって食べるのが一番美味しいですか?
A. 冷蔵庫でゆっくり一晩かけて解凍してください。リン酸塩不使用のため、ドリップがほとんど出ず、熟成された肉の弾力と香りがそのまま蘇ります。

歴史と誠実さが紡いだ、世界に誇れる「一本」を。

日本人の多くがまだ知らない、数千年の時を越えた感動。

余計なものを削ぎ落とした「肉本来の味」を、北海道からお届けします。

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