北海道・北広島市。エーデルワイスファームが手がける「ベーコン節」は、まるで鰹節のように削って使う、今までになかった“肉の削り節”です。

口に入れた瞬間に溶け出す脂の甘みと、スモークの芳醇な香り。多くの食通を唸らせるこの商品は、実は「効率化の敗北」から生まれた、旨味(うまみ)と手仕事の結晶であることをご存知でしょうか?

今回は、あえて機械化を断念し、職人が一瓶ずつ手詰めすることになった「ベーコン節の裏話」をご紹介します。

目次(クリックで開閉)

機械化を目指したスタートと挫折

💡 結論:効率化のために「自動充填機」を導入しようとしたが、削りたてのベーコン節が詰まってしまい、計画は失敗に終わった。

商品化を進める中で、最初に課題となったのは「瓶詰め作業」でした。削ったベーコン節を自動で瓶に詰めるため、私たちは効率化を目的に自動充填機の導入を検討しました。鰹節と同様にスムーズに進むはずでした。

しかし、実際に試作を始めてみると、思わぬ問題が発生しました。削りたてのベーコン節が、充填機の内部で詰まり、スムーズに流れなかったのです。

鰹節との決定的な違い ― “脂”がもたらす粘着

💡 結論:ベーコン節特有の「上質な脂肪分」が摩擦や静電気で粘着性を持ち、機械内部でダマになってしまうことが原因だった。

原因は、鰹節にはない「脂肪分」でした。エーデルワイスファームのベーコン節は、厳選された豚肉を原料としているため、わずかに残る脂が削り全体に影響します。

削った瞬間、微細な脂が表面ににじみ出て空気中の水分と反応し、瓶に詰める前の段階でダマになりやすいのです。

サラサラと流れる「鰹節」と同じ工程を想定していた私たちは、この性質に大きく悩まされました。摩擦や静電気の影響で、わずかな脂でも削り同士がくっついてしまう。その結果、自動充填機では詰まりが頻発してしまったのです。

手作業に戻る決断が生んだ品質

💡 結論:すべての封入を職人の手作業に切り替え。湿度管理と専用道具により、ふんわりとした食感を守ることに成功した。

試行錯誤を重ねましたが、自動化は断念。現在はすべての封入を職人の手で行っています。

一瓶ずつ削りの状態を確かめ、固まりができないように少しずつ丁寧に瓶へ詰めていく。静電気を防ぐために湿度を管理し、専用の道具を使いながら、職人たちが手仕事で仕上げます。

効率化の面では決して有利ではありませんが、この手作業こそが「品質を守る最後の工程」であり、ベーコン節の個性そのものです。

職人が手作業でベーコン節を瓶詰めしている様子
一つひとつ、職人の目で確認しながら瓶詰めされます。

【比較】鰹節とベーコン節の違い

💡 結論:乾燥して硬い鰹節に対し、ベーコン節は「ドライエイジング」を経てもなお、脂の潤いと柔らかさを保持しているのが最大の特徴。

なぜここまで機械化が難しかったのか。それは一般的な「鰹節」と比較すると、その構造の違いがよく分かります。

比較項目 一般的な鰹節 エーデルワイスファームのベーコン節
主原料 カツオ(魚類) 豚バラ肉(畜肉)
水分・脂質 極限まで乾燥・脂質は少ない ドライエイジング後も脂質を保持
質感 サラサラとして硬い しっとりと柔らかく、溶けやすい
製造方法 燻乾(カビ付け等の乾燥) 4週間の氷温熟成+3〜4ヶ月の乾燥熟成

少しだけ高価な理由と“手詰め”の価値

💡 結論:原料が1/5になるまで凝縮させる熟成期間と、機械では不可能な手詰め作業。この2つの「手間」が価格の理由であり、品質の証である。

ベーコン節は、1ヶ月以上の氷温熟成、さらに3〜4ヶ月間のドライエイジング(乾燥熟成)を経て完成します。原料の重量は最終的に約1/5にまで凝縮され、まさに旨味の結晶。その貴重な削りを一瓶ずつ丁寧に詰めていくことで、削りのふんわり感や香り、見た目の美しさを保つことができるのです。

「なぜ少し高いの?」と聞かれることがあります。確かに、効率的に作ることを優先すれば、もう少し安くできるかもしれません。ですが、私たちにとっての価格は、単なる数字ではなく、人の手と時間、そして技術の積み重ねの証です。

機械では詰められないからこそ、人の手が必要。だからこそ、香りが生き、削りが軽やかに舞い、開けた瞬間に感動が生まれます。ベーコン節が少しだけ高価なのは、その“ひと瓶ひと瓶に人の手が宿っている”からなのです。

ベーコン節に関するよくある質問(FAQ)

最後に、お客様からよくいただく質問にお答えします。

Q. おすすめの食べ方はありますか?
A. まずは炊きたてのご飯に乗せ、醤油を少し垂らして「ベーコン節ご飯」としてお召し上がりください。その他、サラダのトッピング、パスタ、冷奴など、鰹節と同じ感覚で洋風の旨味をプラスできます。
Q. 保存方法を教えてください。
A. 直射日光・高温多湿を避けて常温で保存可能ですが、開封後は風味が飛びやすいため、冷蔵庫に入れお早めにお召し上がりいただくことをおすすめします。
Q. ギフトとして贈ることはできますか?
A. はい、常温で持ち運びができるため、手土産やギフトとして大変人気があります。専用のギフトボックスもご用意しております。

効率よりも品質を。量よりも、想いを。
この小さな瓶には、職人の誇りと時間が詰まっています。

ベーコン節の裏話。
それは、手間を惜しまない姿勢と、クラフトマンシップが生んだ小さな奇跡の物語です。

職人の手仕事が生んだ「奇跡の削り」を食卓へ

いつものご飯にかけるだけで、ご馳走に。
大切な方への贈り物や、自分へのご褒美に、ぜひ一度ご賞味ください。