ハム・ベーコンの本来の作り方とは、塩せき(=肉を塩漬けにする工程)と熟成で、塩と時間をかけて保存性をつくる製法のことです。添加物を使うかどうかで決まるものではありません。

「無添加が本来の作り方」と言われることがありますが、塩せきの歴史をたどると、その図式は成り立ちません。長期熟成の生ハムは塩と時間で、加熱や燻煙で仕上げるハム・ベーコンは岩塩に含まれる硝酸塩の働きを借りた塩せきで、それぞれ保存性をつくってきました。無添加を選ぶ作り手にも理由があり、この記事はどちらが正しいかを決めるものではありません。「本来」という言葉が何を指しているのかを、年表と一次資料で整理します。

ハム・ベーコンの本来の作り方:燻製庫から出したばかりのハム
燻煙室から出したばかりのハム。塩せきと燻煙は、加熱・燻煙で仕上げるハムやベーコンが保存食として成り立つための工程です。

SUMMARY

ハム・ベーコンの本来の作り方は、塩せきと熟成で保存性をつくる製法です。長期熟成の生ハムは塩と時間で、加熱や燻煙で仕上げるハム・ベーコンは岩塩の硝酸塩が亜硝酸塩に変わる働きを借りた塩せきで、それぞれ成り立ってきました。そのため「無添加=本来の作り方」とは言えません。無添加(無塩せき)のハムが日本で作られ始めたのは1970年代で、塩せきの歴史に比べると新しい作り方です。

本来の作り方の出発点は、保存食としての塩の時代

加熱や燻煙で仕上げるハム・ベーコンは、岩塩に含まれる硝酸塩の働きを借りた塩せきの上に成り立ってきた保存食です。

ヨーロッパでは古くから、硝酸塩を含む岩塩が食肉の塩せきに使われてきました。当時の作り手は化学的な仕組みを知りませんでしたが、使う塩によって肉の色や風味、日持ちが変わることは経験として知られていたのです。米国農務省(USDA)の食品安全検査局も、ベーコンを古くから続く塩せき肉として紹介しています。

岩塩の中には硝酸塩が含まれることがあります。それが微生物の働きなどによって亜硝酸塩へ変化し、この反応が食肉の色や風味をつくります。硝石(硝酸塩を多く含む鉱物)や岩塩に含まれる硝酸塩の働きは、加熱や燻煙で仕上げる塩せき肉の色・風味・日持ちを支えてきました。

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岩塩・硝石(硝酸塩を含む)微生物の働きなどで変化亜硝酸塩に変わる肉の中で反応する色が安定する塩せき肉の風味菌の増殖を抑える作り手はこの仕組みを知らないまま、経験として使っていました
※岩塩の硝酸塩が亜硝酸塩に変わる流れを表した模式図です

発色と保存性の正体が、硝酸塩そのものではなく亜硝酸塩であることが科学的に解明されたのは、19世紀末以降です。ただし、硝酸塩を使った塩せきは、反応の進み方を管理しにくい方法でした。米国では1925年に、USDAが亜硝酸塩を肉に直接加えることを正式に認めています。現在は一般に、成分量が一定しない天然の岩塩だけに頼らず、品質と使用量を管理しやすい精製された亜硝酸塩を、法令に基づく食品添加物として使う方法があります。管理できる形に変えたことが、精製の目的でした。当ファームが使うのは、岩塩に含まれる硝酸塩からできる亜硝酸塩です。

亜硝酸塩が担っている4つの役割

「発色のためだけの添加物」というのは、よくある誤解です。亜硝酸塩には、次の4つの役割があります。

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1ボツリヌス菌の増殖を抑える2脂質の酸化による風味の劣化を抑える3ハム・ベーコン特有の風味をつくる4発色(肉の色を安定させる)
※亜硝酸塩が食肉の塩せきで担う役割を整理した図です

食品表示では、用途名として「発色剤(亜硝酸ナトリウム)」と書かれることがありますが、役割は発色だけではありません。

亜硝酸塩は、「使うこと」のリスクばかりが語られがちです。しかし、亜硝酸塩を使わない場合は、別の手段で保存性と安全性を管理する必要があります。どちらのリスクもゼロにはできません。だから、入っているか、いないかではなく、なぜ使われているのかで考える。それが、この判断の基本です。使用量は法令で定められた基準に従っています。実際の配合は商品表示を優先してください。製法の歴史を知ることと、いまの製品の安全性を確かめることは、分けて考える必要があります。安全性の議論そのものは、「無添加ハムなら安全?亜硝酸塩の誤解とボツリヌス菌のリスクとは」で詳しく扱っています。

ワインの亜硫酸塩と、似た立ち位置にあるもの

読者にとって亜硝酸塩は「知らない添加物」でも、身近な例として、ワインの亜硫酸塩があります。

ワインのラベルに「酸化防止剤(亜硫酸塩)」と書かれているのを見たことがあるかもしれません。亜硫酸塩は、ワインの酸化を防ぎ、雑菌の繁殖を抑えるために、古くから使われてきました。亜硝酸塩と亜硫酸塩は別の物質ですが、立ち位置はよく似ています。どちらも、その食品が成立するために伝統的に組み込まれてきた工程の一部です。ワインを選ぶとき、私たちは亜硫酸塩の有無だけで良し悪しを決めてはいません。目的があって伝統的に使われてきたものが、食品にはある。この対比が伝えるのは、その一点です。ワインの亜硫酸塩が安全だという意味ではなく、食品の成り立ちの話です。

日本の食卓に肉が並ぶまで、およそ150年

日本で肉が日常の食卓に並ぶようになってから、まだおよそ150年です。塩せきや亜硝酸塩という言葉に馴染みが薄い背景のひとつに、この歴史の短さがあります。

675年(天武天皇4年)の詔(みことのり・天皇が出す命令のこと)は、牛・馬・犬・猿・鶏の肉食を禁じました。すべての肉が禁じられたわけではなく、猪と鹿は対象外で、その後も狩猟され食べられています。まったく食べていなかったわけではありませんが、日常の食卓に肉が並ぶ文化ではありませんでした。

誤解されやすいのですが、明治政府が国民一般に向けて肉食を解禁したという布告は確認できません。明治5年の太政官布告(だじょうかんふこく・明治初期の政府が出した法令の一種)第133号は、僧侶の肉食・妻帯・蓄髪を許可したもので、国民向けのものではありません。実際に起きたのは、明治4年12月ごろに宮中で肉食の慣行が改まり、そこから牛鍋や洋食が社会へ広まっていくという、緩やかな転換でした。

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675年天皇の命令(詔)で5種の肉を禁止明治4年頃宮中で肉食の慣行が改まる明治7年ハム製造が始まったとされる現在日常の食卓に肉が並ぶ文化約1200年明治4年頃から現在まで、およそ150年
※出来事の間隔は実際の年数と比例していません

明治7年(1874年)には、ウィリアム・カーティスが、鎌倉郡下柏尾村(現在の横浜市戸塚区)でハムの製造を始めたとされています。ヨーロッパで長い時間をかけて受け継がれてきた塩せきの技術を、日本はおよそ150年で受け取ったことになります。

対照的に、ドイツでは亜硝酸塩添加食塩(Nitritpökelsalz・亜硝酸塩を加えた塩せき用の食塩)が、500g・1kgの家庭用としてスーパーや通販で売られ、自家製ハム・ソーセージの文化があります。

「本来の作り方」は、食品によって成り立ち方が違います

本来の作り方は1つではありません。長期熟成の生ハムは塩と時間で、加熱や燻煙で仕上げるハム・ベーコンは塩せきと亜硝酸塩の働きで、保存性をつくってきました。

生ハムの代表例に、イタリアのパルマ産生ハム(Prosciutto di Parma)があります。この生ハムの生産規格書は、塩せきを海塩のみで行うこと、化学物質・保存料・その他の添加物を使わないことを定めています。日本の農林水産省が紹介している地理的表示(GI)の登録ページでも、パルマ産生ハムは、塩を使った乾燥熟成を1年以上行うハムとして説明されています(生産規格書、農林水産省)。

つまり、塩と長い乾燥熟成の時間で保存性をつくる生ハムのような作り方も、本来のハムづくりのひとつです。一方、加熱や燻煙で仕上げるハム・ベーコンは、岩塩の硝酸塩が亜硝酸塩に変わる働きを借りた塩せきで成り立ってきました。ドイツの食肉加工では、亜硝酸塩添加食塩を使う塩せきが標準的です。

「無添加」は、何を使っていないかを示す言葉です。「本来の作り方」は、保存性をどう組み立てるかという製法の話です。両者は、同じ物差しの上にありません。

無添加のハムは、本来の作り方ではないのですか?

「無添加だから本来の作り方」とは言えません。同時に、無添加が間違いだということでもありません。理由は4つあります。

1つめは、無添加のハムが、塩せきの歴史から見ると新しい作り方だからです。日本で発色剤を使わない無塩せきのハムが作られ始めたのは、1970年代です。ヨーロッパで古くから続く塩せきに比べると、半世紀ほど前に生まれた作り方です。新しいことは、良し悪しとは関係がありません。無添加も、作り手が考えて選んだ、もう一つの作り方です。

2つめは、本来の作り方が1つではないからです。塩と時間で作る生ハムもあれば、亜硝酸塩の働きを借りてきた加熱・燻煙のハム・ベーコンもあります。

3つめは、亜硝酸塩を使わない場合は、別の手段で保存性と安全性を管理する必要があるからです。「使っていない」という事実は、保存性をどう組み立てているのかまでは教えてくれません。

4つめは、「無添加」という言葉だけでは、何を使っていないのか分からないからです。消費者庁は2022年3月に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を定め、対象を明示せず単に無添加と表示すると、何を添加していないのかが不明確になり、消費者が実際と異なる解釈をするおそれがあると指摘しています。「保存料不使用」のように対象を示した表示と、「無添加」は別のものです。

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「無添加」何を使っていないのか亜硝酸塩、保存料、着色料、リン酸塩など保存性を何で組み立てているのか塩と時間、亜硝酸塩の働き、ほかの手段どの種類の食品なのか生ハム、加熱・燻煙のハム・ベーコン
※表示を読むときの観点を整理した図です。どの作り方が優れているかを示すものではありません

3つの作り方を並べると

生ハム、亜硝酸塩を使う加熱・燻煙のハム・ベーコン、亜硝酸塩を使わない加熱・燻煙のハム・ベーコンを、保存性のつくり方で並べます。

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観点乾燥熟成の生ハム亜硝酸塩を使う、加熱・燻煙のハム・ベーコン亜硝酸塩を使わない、加熱・燻煙のハム・ベーコン
塩せきに使うもの海塩のみ(パルマ産生ハムの規格書)岩塩の硝酸塩、または精製した亜硝酸塩を必要最小限塩(亜硝酸塩は使わない)
保存性のもと塩と、長い乾燥熟成の時間(パルマ産は1年以上)塩せきと亜硝酸塩の働き、加熱、燻煙塩せき、加熱、燻煙に加え、亜硝酸塩に頼らない別の手段
管理の重点熟成の期間と環境亜硝酸塩の使用量、熟成の温度と期間、燻煙衛生・温度・期限の管理

※どれが優れているかを示す表ではありません。保存性の組み立て方の違いを整理した、一般的な傾向です。原料、塩分、温度、期間、加熱、燻煙により仕上がりは変わります。実際の配合は商品表示を優先してください。

OUR POSITION

エーデルワイスファームは、3つのうち「亜硝酸塩を使う、加熱・燻煙のハム・ベーコン」の立場に立っています。

岩塩に含まれる硝酸塩からできる亜硝酸塩を、ボツリヌス菌を防ぐため必要最小限だけ使用し、保存料・着色料・リン酸塩は使用していません。「完全無添加」とは表現しません。塩と時間で作る生ハムにも、亜硝酸塩を使わずに作る作り手にも、それぞれの理由があり、優劣は語りません。

塩漬液に浸して塩せきし、マイナス2℃で約4週間熟成させます。原料肉10kgは、完成時に約6kgになります。スライスした断面がしっとりと締まって見えるのは、この時間の分です。

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この作り方をそのまま反映しているのが、薪・炭火仕上げ ベーコンブロック 280g です。

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いまの「本来」を続ける現場

当ファームは、塩漬液での塩せきと、氷温帯での熟成に、時間をかけています。

塩漬液に浸して塩せきします。短時間で仕上げるインジェクション(注入)も、タンブリングも行いません。塩をゆっくり肉にゆきわたらせるので、噛むと繊維がほどけるような食感になります。

1920年代の製法のひとつ。綿布でハムを巻く風景
綿布で巻く工程。機械化以前の手仕事の考え方を、いまも一部の工程に残しています。

当ファームが指針にしているのは、機械化による大量生産が普及する前、職人の手仕事がすべてを支配していた1920年代ドイツの製法の考え方です。ただし、当時の製法の完全な再現ではありません。氷温帯(マイナス2℃前後)で約4週間かけて熟成させ、この間に水分を抜きます。

燻煙には、2年間自然乾燥させたオーク(楢)の薪と炭を使い、職人が火加減を見ながら直火で仕上げます。オークの煙は、肉に色と香りをまとわせます。

職人が直火を管理している炎の様子
薪と炭の直火。火加減は職人が見ます。温度計だけでは測れない判断です。

ドイツの肉製品基準については、こちらの記事で扱っています。

まとめ|本来の作り方は、塩と時間からできている

ハム・ベーコンの本来の作り方は、塩せきと熟成で保存性をつくる製法です。何を保存性のもとにするかは食品によって違い、「無添加か、そうでないか」だけでは決まりません。

CHECK POINTS

1 本来の作り方は、塩せきと熟成で作る
2 生ハムは、塩と長い熟成の時間で成り立つ
3 加熱・燻煙のハム・ベーコンは亜硝酸塩の働きを借りてきた
4 「無添加」の一語では、作り方は分からない
5 日本で肉が日常の食卓に並んで、まだ約150年

CONCLUSION

私たちの作り方を支えるのは、塩と時間です。

無添加を選ぶか、亜硝酸塩を使う製法を選ぶか。どちらを選ぶかは、読者自身の判断です。そのとき「無添加」の一語ではなく、何で保存性を組み立てているのかを見てください。

WHO MADE THIS

エーデルワイスファームは、北海道北広島市で薪・炭火仕上げのハム、ベーコン、ベーコン節®を製造しています。

ドイツの伝統的なハムとベーコンを、家族が自分たちで食べるために作り始めて約90年になります。1985年に一人のシェフから「店で出したい」と請われ、1986年に製品として売り始めました。

マイナス2℃

約4週間かけて熟成

10kg → 6kg

原料肉から減る分だけ、味が凝縮します

二年乾燥のオーク

薪と炭の直火。火加減は職人が見ます

塩漬液に浸して塩せきします。短時間で仕上げるインジェクション(注入)もタンブリングも行いません。手間はかかりますが、この工程を省くと肉の食感が変わります。

EVALUATION

1 ITIダイヤモンド賞(最高位)
2 優秀味覚賞 三ツ星 7年連続(2020〜2026)
3 DLG(ドイツ農業協会)金賞
4 1997年から2026年までに、テレビ・新聞・雑誌・ラジオで112件(雑誌・書籍50件、テレビ47件、新聞10件、ラジオ5件)

受賞実績を見る / メディア掲載112件を見る

FOR THIS METHOD

塩漬液での塩せき、マイナス2℃で約4週間の熟成、オーク材の薪と炭による燻煙。この記事で触れた工程を、1つの商品で確かめるなら、ベーコンブロック280gです。

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この記事に出てきた用語

塩せき…塩を使って肉を漬け込み、保存性と風味を持たせる工程

塩漬液…塩せきのために肉を浸す、塩などを溶かした液

硝石…硝酸塩を多く含む鉱物。古くから塩せきに使われてきた

亜硝酸塩…硝酸塩が変化してできる物質。ハム・ベーコンの塩せきで、発色・風味・菌の増殖の抑制などの役割を持つ。食品表示では「発色剤(亜硝酸ナトリウム)」と書かれることがある

亜硝酸塩添加食塩(Nitritpökelsalz)…亜硝酸塩を加えた、塩せき用の食塩。ドイツでは家庭用にも売られている

乾燥熟成…塩せきした肉を、時間をかけて乾燥させながら熟成させる方法。生ハムの作り方

パルマ産生ハム(Prosciutto di Parma)…イタリアのパルマ地方で、生産規格書に従って作られる生ハム

地理的表示(GI)…産地と結びついた品質や評判を持つ農林水産物・食品の名称を、国が保護する制度

ボツリヌス菌…酸素の少ない環境で増え、毒素を作ることがある細菌

詔(みことのり)…天皇が出す命令のこと

太政官布告(だじょうかんふこく)…明治初期の政府が出した法令の一種

よくある質問

ハム・ベーコンの本来の作り方とは、どんなものですか?

A

塩せき(=肉を塩漬けにする工程)と熟成で、塩と時間をかけて保存性をつくる作り方です。長期熟成の生ハムは塩と時間で、加熱や燻煙で仕上げるハム・ベーコンは、岩塩に含まれる硝酸塩が亜硝酸塩に変わる働きを借りた塩せきで、成り立ってきました。

無添加ハムは、本来の作り方ではないのですか?

A

「無添加だから本来の作り方」とは言えません。本来の作り方は食品の種類によって違い、亜硝酸塩を使わない場合は、別の手段で保存性と安全性を管理する必要があります。また、「無添加」という言葉だけでは何を使っていないのかが分からないため、消費者庁は不使用表示のガイドラインを定めています。無添加を選ぶ作り手にもそれぞれの理由があり、どちらが優れているかという話ではありません。

生ハムは塩だけで作るのに、ハムやベーコンには亜硝酸塩を使うのはなぜですか?

A

食品としての成り立ち方が違うためです。たとえばパルマ産生ハムの生産規格書は、塩せきを海塩のみで行い、添加物を使わないと定めています。保存性は、塩と長い乾燥熟成の時間でつくります。加熱や燻煙で仕上げるハム・ベーコンは、塩せきで入る亜硝酸塩の働きを借りてきました。どちらが優れているかではなく、保存性のつくり方の違いです。

亜硝酸塩は、いつから使われているのですか?

A

硝酸塩を含む岩塩は古くから使われてきました。発色と保存性の正体が亜硝酸塩であることが科学的に解明されたのは19世紀末以降です。米国では1925年に、米国農務省(USDA)が亜硝酸塩を肉に直接加えることを正式に認めています。

ワインの亜硫酸塩と、ハムの亜硝酸塩は同じものですか?

A

別の物質です。ただし、どちらもその食品が成立するために伝統的に組み込まれてきた工程の一部という点で、立ち位置はよく似ています。

なぜ日本では塩せきや亜硝酸塩に馴染みが薄いのですか?

A

ひとつの背景として、日本で肉が日常の食卓に並ぶようになってから、まだおよそ150年しか経っていません。一方、ドイツでは亜硝酸塩添加食塩(Nitritpökelsalz)が家庭用として店頭で売られ、自家製ハム・ソーセージの文化があります。

エーデルワイスファームの製品は、完全無添加ですか?

A

完全無添加とは表現していません。ボツリヌス菌を防ぐため、岩塩に含まれる硝酸塩からできる亜硝酸塩を必要最小限だけ使用し、保存料・着色料・リン酸塩は使用していません。実際の配合は商品表示を優先してください。

参考資料・出典