【全3話】ベーコン節® 開発物語シリーズ
- 第1話:ベーコン節開発秘話 前編(本記事)
- 第2話:【ベーコン節開発記】「不味い」からの逆転劇・中編
- 第3話:ベーコン節®誕生秘話 完結編|5年の苦闘を救った「ハムとベーコンの違い」
2018年、北海道。それは私たちエーデルワイスファームにとって、忘れられない試練の年でした。会社の財務的な困難に加え、数年ぶりの大型台風、そして北海道全域を襲った3日間に及ぶ大停電(史上初のブラックアウト)という事態が重なり、窮地をさらに深めていました。
そんな中、更に製造部から悔しい報告が届きます。「商品開発がうまく進んでいない」。数多のソーセージやハムの開発を進めてきたものの、ただスパイスや素材を変更するだけではなく、真の「オンリーワン」商品を生み出すことが中々できない現状だったのです。
夜明け前の闇が深く、寝不足の日々が続く中、弊社の看板商品「ベーコン」に匹敵する、あるいはそれを凌駕するような、新鮮で美味しいオリジナル製品を開発できないものかと、私は一人深く考え続けていました。
目次(クリックで開きます)
1. 2018年、ブラックアウトの衝撃と「開発」の壁
ベーコン節®開発のきっかけは、2018年の北海道胆振東部地震による停電や経営難という逆境でした。看板商品であるベーコンに匹敵する、これまでにない独創的な新商品を模索する中で、その構想は生まれました。
2018年の北海道胆振東部地震に伴うブラックアウトは、製造業にとって死活問題でした。しかし、それ以上に私たちを悩ませていたのは「真のオンリーワンが生み出せない」という現実でした。

スパイスを変えるだけでは、お客様を心から驚かせることはできない。夜明け前の深い闇の中で、私は「看板商品のベーコンを凌駕する美味しさ」の正体を探し続けていました。心の奥底で、まだ見ぬ「何か」をひそかに思い描き続けていたのです。
2. 「西洋の鰹節」という言葉から始まった、知恵の融合
ベーコン節®は、お客様の「西洋の鰹節」という言葉と、テレビで紹介されていた鰹節の製法(燻煙と熟成)をヒントに着想されました。伝統のドイツ製法に、日本特有の「鰹節」の工程を掛け合わせる挑戦の始まりでした。
そんな時、何気なくつけていた民放テレビで、海外在住の外国人女性が日本のカツオ節の魅力に取りつかれ、その製造法を学ぶために修行に訪れるという話題が取り上げられていました。その時、思わず頭を過ったのは、お客様から聞いたある言葉。「オタクのベーコンは西洋の鰹節ね」。

その瞬間、「鰹節って一体どんな工程で作られているんだろう?」という疑問が私の心に湧き上がりました。調べてみると、鰹節の製造は、高熱で燻煙した後、時にはカビを噴霧して完成させるという、我々がハムやベーコンを作る手法と驚くほど似た工程だったのです。「もしかして…」と、新たな可能性が頭をよぎりました。
鰹節の製造工程(燻煙と熟成)については、農林水産省の「aff(あふ)」などの資料でも詳しく解説されており、その複雑な工程が旨味の源泉であることが分かります。
出典:農林水産省「aff」
3. 3ヶ月の試行錯誤。ついに産声を上げた「ベーコン節®」
ベーコン節®の完成までには、試行錯誤を繰り返すこと約3ヶ月を要しました。独自の長期氷温熟成と薪炭直火燻製を経て、さらに加熱・熟成を加えることで、常温で長期保存が可能な芳醇な旨味を引き出すことに成功しました。
翌日、私は工場長に対し、「かつお節の製造工程を調べ、ベーコンをさらに加熱後熟成させてみる」という実験を頼みました。これまでにない未知の領域への挑戦でした。そして3ヶ月後。私達の手から初めて「ベーコン節®」が誕生したのです。

新たな可能性を秘めた製品の誕生は、まさに躍進の瞬間でした。現在、このベーコン節®は、直射日光を避けた場所であれば「常温で3ヶ月」、さらに2026年3月からは製法の進化により「6ヶ月」もの長期保存が可能となっています。保存料に頼らずとも、薪炭直火燻製と熟成の力でここまで鮮度を保てるのは、職人の意地が生んだ奇跡です。ギフトとしても、これまで以上に安心してお選びいただけるようになりました。
4. よくある質問(FAQ)
- Q:ベーコン節®の賞味期限はどのくらいですか?
- A:直射日光を避けた常温保存で「3ヶ月」美味しくお召し上がりいただけます。なお、2026年3月以降はさらに改良が進み、賞味期限は「6ヶ月」へと大幅に延長されます。
- Q:冷蔵庫に入れなくても大丈夫ですか?
- A:はい。直射日光や高温多湿を避けた場所であれば常温での保存が可能です。持ち運びもしやすいため、遠方のギフトやお土産としても大変重宝されています。
- Q:どのような想いで開発されたのですか?
- A:2018年の北海道ブラックアウトという逆境の中、看板商品を超える「真のオンリーワン」を届けたいという執念から生まれました。今や常温保存も可能となり、より多くの方にその旨味を届けられるようになりました。
【全3話】ベーコン節® 開発物語シリーズ
- 第1話:ベーコン節開発秘話 前編(本記事)
- 第2話:【ベーコン節開発記】「不味い」からの逆転劇・中編
- 第3話:ベーコン節®誕生秘話 完結編|5年の苦闘を救った「ハムとベーコンの違い」
職人の技と、偶然の閃き。その結晶をぜひ一度ご賞味ください。
